皆さんは今どちらにお住まいでしょうか?
私は現在割と都会に住んでいるのですが、海上保安庁時代は海の近くに住まいが限定されるため、比較的東京などと比べてしまうと、田舎的なところに住んでおりました。

正直私はイオンモールがあれば生きていける人間ですので、何不自由なく過ごせておりました。


そんな中、都会出身の若手の子などは、そんな田舎町を馬鹿にする風潮があり、やれ渋谷にいきたいだぁ、新宿、原宿と都会人ぶり、誰でも知っているようなメジャーどころの名前ばかり口にします。
本当の都会っ子だったら、もっとコアな情報出してこいや!
なんて思ったりもしていましたが、特に興味はないのでいいでしょう。
広島県しまなみ海道の島々


元海保さんは田舎が好きなんですね?

正直どのレベルから田舎なんですかね?

う~ん、イオンモールしかないところ?

イオンモールがあったらもう私にとっては都会ですから!!
そうなんです、人によって都会と田舎というものは違うものなんです。
東京出身者からすると、大田区は田舎の括りになりますが、地方出身者にとっては大田区も都会ですよね?
(大田区民の方申し訳ございません。)
そんな都会、田舎の話はさておき、私が巡視船に乗っているときに訪れた「瀬戸田」についてご紹介させていただきたいと思います。


この場所は私にとって終の棲家にしたいほど快適な場所でございました。
巡視船の定期整備

巡視船は定期的に「ドック」と呼ばれる場所に入り、整備を行うことになっています。
車でいう「車検」みたいなものです。
普段整備のできない船底部分や、タンク、エンジンの細微なところまで整備を行うものとなります。
「ドック」の場所に関しては近場の造船所というわけではなく、全国の造船所に掛け合い、一番安くできるところにお願いします。
なので北は北海道、南は沖縄まで整備しに行く可能性があるのです!!



ちなみにどこのドックが一番いきたかったですか?

最初は横浜のユニバーサル造船に行きたかったです

いけなかったんですか?

はい、たぶん価格が高いのではないかと、、、
そうなんです!
都会はおそらく高いんです!
どこに行くのだろうとハラハラドキドキしていた当時、ドックの場所が決定したときは主任航海士が裁判で勝訴した人みたいな感じで書類を高らかにかざしていました。

「因島ドック」

え?どこ?

広島らしいよ。

広島!?

広島と四国の真ん中にある島の一つらしいよ
その時は「因島」なんていう存在すら知らず、かなりガッカリしたことを今でも覚えています。
そんなガッカリする私を他所に、自転車大好き潜水班長とその仲間達はキャッキャ喜んでおりました。

なんでそんなに喜んでいるんですか?

お前、瀬戸田最高だぞ!自転車用意して来いよ!
「るるぶ」を読みながら喜びに満ち溢れている人たちを見ながら、そんなに良いところなのかなぁ?なんて思いながら、ドックに向かう当日を迎えました。


ドック到着

出港してから数日、ようやく瀬戸田が見えてきました。
ここに来るまでは憂鬱な気分でしたが、付近の風景を見てみるとまさに絶景!


「尾道」も近いし四国にだって行けちゃうなんて、おらワクワクすっぞ!
ドックの職員誘導でドックへ突入!
バルブなどの作業を終え、ドック初日の作業に関してはすぐに終了しました。
作業を終えるとドックハウスに向かい荷物の搬入を行います。
初めてドックに来たとき私はまだ若手だったため、古いほうのドックハウスに居住することになっていました。
ドックから徒歩約5分。古いドックハウスが見えてきました。

まぁ、住めば都だろ!
そう思い、自室のカギを受け取って部屋に向かいました。
部屋の途中にはゴキブリの死骸。
なんだか嫌な予感がします。
「G」の亡骸を通り越し奥の部屋へと向かいます。
そして私の部屋のカギを開け、中を覗くとそこは古い畳の部屋となっており、昔ながらのキッチンと、昔の「座れない」トイレが配置されていました。

まぁ、住めば都だろ、、、
とりあえず荷物を置き、備え付けのヤカンに手を伸ばすと、ヤカンの中から「ヤモリ」が「こんにちは」してきたではありませんか!

おいマジかよ、こんなとこにしばらく住むのかよ。
ヤカンから脱走したヤモリは部屋のどこかに消えていき、私はしばらく爬虫類の同居人と過ごすことになりました。
私の部屋の他にも、先輩の部屋にはアリが行列をなして歩いていたり、特大の「G」が全力疾走していたりなど、なかなかスリリングなドックハウスとなっていました。
最後に

私たちいわゆるボットムの部屋はそんな感じだったのですが、中堅から幹部にかけてはどんな部屋に住んでいるのか気になった為、主任機関士のドックハウスを訪ねてみることにしました。
すると、私たちの昆虫ハウスとは全く違う綺麗なドックハウスに住んでやがりました。
トイレと風呂に関しては共同だったのですが、部屋は超きれいで、虫なんてまったくいません。
しかも掃除が行き届いてやがる。。。
そんな悲しくも、悔しい思いをしながらも、いつかあそこに住めるよう階級を上げてやる!
と心に決めた瞬間でした。
まぁ上げてやるといっても、最初の頃は完全に年数によって階級が上がっていくので、特修科にでも行かない限りはすぐに階級は上がりませんけど、、、。
そんなことを思いつつ、テラフォーマーが待つドックハウスに帰還した。
次回!しまなみ海道を堪能するの巻き!!
続く!!


コメント