
元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「潜水士になるための必須条件」という内容になります!
海上保安庁へ入庁する方の中には、レスキューがやりたくてやりたくて震えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
漫画から映画化、ドラマ化された海猿を見て潜水士になりたい!
と海保に入りたいとメチャメチャ倍率が上がった時代もありました。
海上保安庁の潜水士

海上保安庁に入庁する人の多くは、やはり潜水士になりたいという方が多く、また特殊救難隊までいってレスキューしたい!
なんて志の高い人も中にはいましたが、現実はそう甘くはありません。
海上保安官は現時点で約14000人に対して、潜水士の数は約200人、特殊救難隊は約36人となっております。
(正式な人数は海保のHPを見てね!)

超倍率高くね!?
っていうか、普通に潜水士になんてなれるの!?
なんて思ってしまう数字ですよね?
ここからはどのような流れで潜水士になることができるのか、重要な部分を3つに分けてご説明させていただきたいと思います。
巡視船に配属

まず潜水士への道は海上保安学校を卒業後、ほぼ間違いなく巡視船へ配属されます。
(よく分からないイレギュラーな事態を除いて)
このときに救難指定船に配属されなかったからといって、潜水士になれないわけではありませんのでご安心ください。
ただ、最初に救難指定船に配属されたほうが、個人的には潜水士になりやすいんじゃないかと思います。
何故救難指定船に配属されたほうが潜水士になりやすいかと言いますと、周りに潜水士がいる環境でモチベーションが上がるのは勿論のこと、潜水士になるための第一関門、潜水士選考会の情報が多く入ってくるからなんです。
実際に選考会を受けて突破している人間がそこにはいますし、救難課ともアクセスしやすい状況が救難指定船に乗るだけで出来上がります。

しかも一番良いところは、潜水士を目指すことに周りが抵抗がないということなんです。
色のついていない巡視船の上席達は、潜水士を目指すことより船の業務、海上保安官としての業務を優先します。
(当然のことなのですが)
なので、潜水士になろうとすることに対して時間を置くこと進めてくるため、選考会の申し込みすらできない状況に陥ることが多々あります。
私の後輩も超優秀だったのにも関わらず、2年間くらい選考会に参加することすら許されませんでした。

しかし、なんの色もついていない巡視船からだって潜水士の選考会には参加できるんです!

諦めないでください!

私もなんの色もついていない巡視船から選考会を突破しました!
上席にもいろいろな人がいます。
簡単にOKしてくれる人から、全然許してくれない人までいます。
ようは超説得して受けさせてもらうことと、圧倒的な体力を付ければいいだけなんです!


そうすれば色のついていない巡視船からでも選考会に参加することはできるんです!!
(運要素高め)
潜水士選考会

潜水士の選考会については先ほどご説明しと通り、上席の許可が必要となります。
上席が選考会に参加していいよ!
って許可が下りたのちに、陸上の救難課に話がいき、選考会の申し込みが可能となります。
そして選考会に参加という流れとなっています。
選考会に向けて案内が来ると思うのですが、確か選考内容が記載されていたと思いますが、一応どのようなことをやるのかご説明させていただきます。
・懸垂(21回以上)
・100走(速いほうが良い13秒以内くらい)
・1500m走(5分以内)
・走り幅跳び(出来れば6m)
・反復横跳び(いっぱい)
・300mクロール
・耳抜き確認(水深5m)
・マスククリア(ちょっとでも水が残ったらOUT)
・シュノーケルクリア(全部吐き出せなかったらOUT)
・25m潜水

などがオーソドックスな選考会内容となっております。
内容については管区によって多くなったり少なくなったりしますので、目安として覚えておいてください。
そして、選考会を合格するとともに、広島は呉にある海上保安大学校にて潜水訓練がスタートいたします。
潜水研修

広島での訓練は座学、プール訓練、海上保安大学校前の海にて訓練、深度40m海域による訓練と段階を踏んで訓練を行っていきます。
少なからずここでリタイアしてしまう人がいますので、しっかり
メンタル!
と身体を作り上げてきていただき
ぱわー!ヤッー!
と気合を入れて訓練に励んでいただければ、気づいた頃には無事に潜水士となっていることでしょう。

それでは訓練の内容をご説明いたします。
・潜水の基礎知識
・救助について
・潜水士の国家資格取得について
・息止め(2分30秒)
・潜水(50m)
・立ち泳ぎ(ウエイト5キロ手持ち15分)
・300mフィン泳ぎ
・ギアの基本的な使用方法
・障害突破訓練
・海の訓練に慣れる
・機材の準備方法
・捜索訓練
・15m無呼吸潜降
・40m急浮上
・40mバディブリージング
その他にも細かい訓練がありますが、主にこの種目はちゃんとできないとクビになっちゃうよ?
っていう訓練内容を記載しました。
特にプール訓練の体力系種目については、クリアしないと海に出れないので、その時点でリタイアとなります。
なので余裕のある人は訓練中自分に負荷をかけて、合格レベルを楽々こなせるようにしておいたほうが良いかと思います。
そんなこんなで広島の訓練を乗り越えてしまいましたら、もう立派な潜水士となります。
救難指定船に配属されて潜水士としての業務がスタート致します。

ただ通常業務もありますので、そこは怠らずに頑張りましょう!
最後に

特殊救難隊や機動救難士になりたい方はここがスタート地点となりますので、ここからどれだけ頑張るか、名前を覚えてもらえるか、運を持っているか?


にかかっていますので、最大限の努力をすることをお勧めいたします。

潜水士になりたい!
と思ってこれを読んでくれている皆さんが潜水士になって要救助者を救助してください!!
そんな海上保安庁に入庁したいという方は「独学」で勉強するか「専門学校」に通うか、「公務員試験の塾」に通って公務員試験を突破しましょう!!

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