
皆さん!元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「火災船」についてのお話になります!

海上保安官って火も消すんですか!?

海で起こっていることは何だって対応しますよ!
そうなんです。
海上保安官の業務内容は幅広く、船が燃えていれば消火活動だって行います。
そんな海上保安官の業務内容を、まずはざっくりご紹介しちゃいます!
海上保安庁の業務内容


海上保安官って他にはどんなことするんですか?
よく聞かれるんですが、私はいつもこう答えます。

なんでもやるよ!
なんでもといっても、どんなことやっているか分かりませんよね。
ざっくりですが、業務内容の説明をさせていただきます。
・巡視船業務
①警備業務
(警察みたいに取り締まり)
②海の警戒業務
(発電所のテロ対策)
③救難業務
(海猿的なやつ)
・陸上業務
HELL
といった内容になっております。
過去記事に業務内容系をざっくり書いておりますので、時間がある時読んでみてください!

それでは「火災船」のお話をさせていただきます!
海上保安官は海の消防士

先ほど海上保安官の業務内容をざっくりご説明させていただきましたが、その中に
消防でお馴染みの消火活動
というのも海上保安官の業務内容に含まれております。
陸上の消火活動は消防車が颯爽と現れて、消火活動を行ってくれていると思いますが、海の上はどうでしょう?

そうなんです!海上保安官が消火するんです!
私が潜水士として巡視船に勤務していた時のことです。
ワッチ外の時間にて、後輩と懸垂勝負を実施していた時のことでした。

はっはー-!もう終わりか!?

チクショーーー!!
後輩がギブアップする寸前で船内外で、、、
プップー
○○沖○○マイル火災船あり
本線現場に向かう
との船内放送
後輩と顔を見合わせ、懸垂勝負をやめて急いで船橋に走っていきました。
船橋では海図で現場の状況を確認中、無線にて火災船に要救助者がいるかを確認している状況でした。

現場の状況はどんな感じですか?
確認できた内容は、
エンジンルームから出火
乗組員は全員脱出済
という状況。
幸いにも要救助者はいないということに安堵したのを覚えています。
しかし、現在も船は燃えている状況ですので、消火ののち船内捜索を実施してほしいとの通達がありました。
火災船の消火活動

現場に到着するまでの間、火災船対応機材を甲板上に準備し、潜水班にて対応する段取りをミーティングしておりました。
実際火災船の訓練なんて、船に積んである小型ポンプを回したことがあるくらいだったので、

大丈夫かな?
と不安がかなりありましたが、現場に到着し搭載艇に小型ポンプを搭載して火災船に向かいました。
まだ燃えていない船首部から火災船に侵入し、小型ポンプを設置。
潜水士班長と私で消火に向かい、先輩と後輩でポンプとホースの管理を行いました。
その時の私の心の声がこちらです。

え?こんな熱いの?

え?ちょ?怖いんだけど。

これ、火消えるの?
そんな心の声を押し殺しつつ、消火活動を実施。
実際に消火活動をおこなうと、
火はとてつもなく熱く
汗は滝のように流れていた
新人隊員は脱水症状を起こしダウン
なかなか消火できない火災船
消防士の方たち尊敬
無事消火完了したが、、、
なんとか交代で消火活動をおこない、無事に鎮火することに成功。
煤だらけの自分をみて

映画みたいやなぁ
と思いつつ、一度巡視船に帰船。
衝撃の新事実

船内の捜索が起こっているため、機材を変更してすぐに船内捜索を実施。

ずっと働いているんですか!?

はい。後輩は動けなくなりましたし。
いっそ俺も脱水になればよかった。
と思うような激務ですが、脱水なんてなったら恥ずかしくて潜水士なんてやってられないという気合のみで捜索を開始。
そして衝撃的な事実が!
骨になったご遺体を発見。

え?

全員脱出したんじゃないの?

ご遺体ありますけど。
最後に

その後陸上職員にて、火災船の乗組員全員の取り調べが行われました。
乗組員の取り調べの中で分かったことは、乗組員は慌てていたため、乗組員1名を置いていってしまったと自供しました。

ひどい、、、
その後の捜査は陸上の警備に任せてしまいましたが、犯罪の匂いがプンプンしますね。
このような感じで、海保はいろいろなことをやれる職場となっております。

なんでもやりたい方は海保なんていかがでしょうか?


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