
皆さん!元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「鉄塔のスタンドが機動救難士を襲った」話になります!
海上保安庁では「機動救難士」と呼ばれる、ヘリレスキューに特化した救助隊があります。
その機動救難士になるためには、「潜水士」となることが条件となっており、その後実働経験を重ねて機動救難士や、特殊救難隊に進んだり、通常の海上保安官に戻ったりします。
今回は機動救難士になってから、実働に出るまでの訓練の中に、「訓練塔」といわれる基地内にある「降下訓練」や「吊り上げ訓練」をおこなう施設での訓練内容をご紹介したいと思います。

わくわく

ドキドキ
航空基地に鉄塔のスタンド

新人の機動救難士になると、現場に出るまでにいろんな訓練が待っています。
ざっくりとした説明については過去記事に記載しておりますので、こちらをご覧ください!
新人の訓練の中には「訓練塔」と呼ばれる訓練施設で訓練を行うものがあります。
まずこの施設で降下訓練を行い、教育担当の副隊長に「合格」を貰うことが出来れば、ヘリコプターからの降下訓練を許可されるのです。

しかし、この教育担当の副隊長はスタンド使いなんです。

スタンド使いだと!!

ジョジョ第4部に出てくるスタンド「スーパーフライ」を使うことができるんです!!

あの「鉄塔そのものがスタンドという能力で、外に出た者は体が鉄塔の一部になってしまうという破滅的な能力」を使うことができるだと!?
そうなんです!
訓練塔での訓練は階段を走って登っていき、一番上の高いところからすぐに降下するのですが、階段を上っているので疲れ、ミスをしたらやり直しがエンドレスで続き、体力と気力を根こそぎ持っていかれます。

なんて非効率な訓練なんだ!!
今思うとそう思いますが、一種の根性試しや、体力向上も織り込まれていたんだと思います。

ただ、、、効率は悪い!
新人機動救難士の試練


そんなスタンドから抜け出して1年が経過しました
私も無事に現場に出ることができ、実働での経験もし始めた頃、新人機動救難士が2名配属されることになりました。
1人は潜水士経験が長く、ホイスト降下の経験も豊富で有望新人でしたが、もう1人は潜水士経験が短く、ヘリ訓練自体あまりしたことがないということでした。
基地の説明が終わり、訓練塔での初訓練当日。
新人担当の副隊長と、助手の私が一緒に訓練をすることになり、お手本を見せて訓練を実施しました。
初日の訓練ではブレーキや基本的な機材の説明、降下方法などで終わり、副隊長のスタンド能力は発動されましせんでした。
しかし、翌日の訓練で早くもスタンド能力が発動されます。
翌日、昨日の訓練内容を確認し、実際に訓練塔から降下訓練を実施することになりました。
経験豊富の新人は体力もそこそこあり、訓練塔最上階まで一気に駆け上がり、見事降下手順を間違えることなく降下成功!

やるなぁ。うかうかしてたら追い越されるな
なんて危機感を覚えるほどの新人でした。
しかし、もう1人の新人は体力こそあるのですが、最上階に着いた頃には脳に酸素がいっていないのか、落下防止の「自己確保」を行わない、降下手順が分かっていない、降下器の使い方も間違っていると、とんでもない状況に陥ってしまいました。
すると、、、

「スーパーフライ!!」

なにいぃぃ!スタンドが発動しただとおおおぉ!!
そこからというもの、スーパーフライに閉じ込められた新人は、一日中階段を登り、ミスを繰り返し、降下をし、また登る。
そんな日が数週間続き、彼は特殊救難隊の訓練施設でもボコボコにされて帰ってきました。
最後に

おそらく彼はミュッチャー・ミューラーの「ジェイル・ハウス・ロック」によって記憶できる数が制限されていたのだと思います。
常にスタンド能力で攻撃され続けた彼は、現場に出ることなく機動救難士を卒業していきました。
今彼はどんなスタンド能力で攻撃されているのだろう。
そんなことを、ふと考えてしまう今日この頃
そんな海上保安庁に入庁したいという方は「独学」で勉強するか「専門学校」に通うか、「公務員試験の塾」に通って公務員試験を突破しましょう!!


それではまた次のお話で会いましょう!
コメント