
元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「国際緊急援助隊」についてのお話です!
皆さん、日本のレスキュー隊って世界的に見てどのレベルだと思いますか?
よくレスキューといえば消防士を思い浮かべるかと思います。
火を消したり、はしごを思いっきり登ったり、ロープを超速で体に巻いていたり。
他にも警察が山で遭難している人を救助していたり、海上保安庁の潜水士が船から要救助者を救助していたり、自衛隊が河川氾濫している住居から要救助者を助けたり、これみんなレスキューです!

消防だけではなく、いろんな機関で救助活動が行われているんですね。

警察とかも救助するんですね。

そうなんです。人を捕まえるだけじゃないんですよ!

そうなんですね!みんなが協力してレスキューしたりするんですか??

いい質問ですね!そうなんです!みんなが協力して行うレスキューがあるんです!!
国際緊急援助隊

各機関だけでもかなりレベルの高い救助技術を持っているのですが、大規模災害や海外で起きたとんでもない災害に対応するため、日本でも各機関が合同でレスキューを行うことがあります。その名を
JDR=国際緊急援助隊
(Japan Disaster Relief Team)
というものが存在します。
こちらは様々なチームで編成されており、毎年合同で訓練を行っております。

どのようなチームがあるかといいますと、以下の通りとなります。
・救助チーム
(警察・消防・海保)
・医療チーム
(お医者さん・看護師さん)
・専門家チーム
(JICA)
・自衛隊チーム
・感染症対策チーム
(JICA)
このようなチーム編成がされており、統括はJICAが行っております。

詳しくはJICAのHPをご覧ください。
JDRの世界的救助レベル

このJDRなんですが、5年に1回国際的な試験がありまして、その試験の結果によって、その国の救助レベルをランク付けされます。

ちなみに日本は常に最高ランクの「ヘビー」を取得しており、災害時には最前線にて救助活動ができるようになっております。
JDRの訓練ですが、年間約5回ほど各機関合同の訓練が行われており、JDRの訓練に参加できるレスキュー隊員は各機関のエリート
(たまたま選ばれる人もいます)
揃いなので、ハイレベルな訓練となっております。

また各機関の意地とプライドと技術のぶつかり合いが始まり、白熱した訓練となります!
(お互いの技術交流ができるので、各機関敵対視しているわけではありません)

元海保さんも参加してたんですか?

はい!参加してましたし、試験にも参加しました!

凄い!じゃあエリートだったんですね!!

、、、はい!
(たまたま人がいなかったから参加してたなんて言えない、、、)
JDRの訓練内容

JDRの訓練内容ですが、警察、消防、海保、JICA、医者、このそうそうたるレスキューマニアたちが集まり訓練を実施しています。

では一体どのような訓練をしているのでしょうか?

要救助者の搬送訓練?

トリアージ?
確かにそのようなことをしますが、JDRの訓練は一味も二味も違ってくるのです。。。

JDRの訓練は年間に約5回ほどあり、内容については以下の通りとなります。
①技術訓練
②メンテナンス訓練 前半
③メンテナンス訓練 後半
④予備訓練
⑤総合訓練
まず初めに「技術訓練」では初めてその年の訓練に参加するメンバーと会い、チーム編成を行います。

(5年に1回の試験じゃないときは、固定メンバーでないことが多い)
チーム編成後、ブリーチングと呼ばれるコンクリート(建物)を破壊することや、ショアリングといって倒壊しそうな建物に木で作った補助具を使い、建物の侵入経路を確保したり、一時的に倒壊を防いだりする技術訓練を行います。

そのほかにもマーキングやら、救助訓練やら色々あるのですが、そういった一つ一つの項目をこなしていく訓練となっています。
次に「メンテナンス訓練」ですが、こちらは訓練というよりは技術訓練で使用した機材を清掃・点検するとともに、機材の整備方法や扱い方を学ぶものとなっております。

なので基本訓練というよりは和気あいあいと整備作業をして終わる訓練となっています。
「予備訓練」ですが、こちらは試験の時だけだったような気がしますが、総合訓練の簡易版みたいな訓練を実施いたします。
やはり、世界的なレスキューレベルを評価されてしまうので、しっかりと訓練を実施しましょうということですね。

総合訓練では外国から試験官がやってきて、日本のレベルを評価されてしまいますから。
最後に「総合訓練」ですが、こちらは実際に海外で大規模災害が発生し、海外に派遣される!
というところから訓練がスタートします。
なので隊員の集合場所は空港となり、そこから飛行機に乗って現地に行くことになります!

ちなみに訓練なので集合場所は兵庫県のJICAさんの施設で、そこからバスに乗って訓練施設まで向かいます。
この間出国手続きから荷物の準備などすべて本番さながらに訓練をおこないます。
バスにて現場に到着すると、現場にもっていった資材を展開し、拠点となる場所にテントを張ります。
また、各チームのテントや、「クリーンエリア」「ダーティーエリア」の設置を行います。
簡単に言ってしまうと「クリーンエリア」は生活圏「ダーティーエリア」は着替えや装備品を置くところのような感じです。

海外では感染症などの危険性もあるため、生活圏は清潔であることが必須です。
そうこうしているうちに無線が入り、建物が倒壊しているところに要救助者がいるなど救助要請が入るので、現場の状況を聞き取り、必要な資材をトラックに積み込みます。
ここで資材を忘れたら取りに帰れないので、しっかり現場の状況を把握することが重要となっています。

このようなドタバタな感じが3日間続き、ようやく訓練が終了します。
この3日間の間で寝てても急に呼び出される、とんでもない状況で要救助者が建物に挟まれている。

コンクリートを早く壊さなきゃならない!
などの苦難が待ち構えております。
訓練よりキツイ飲み会

1年を通して過酷な訓練を乗り越えた最後は、海外から来た試験も巻き込んだ懇親会です!

皆さん訓練後でクタクタなはずなのに、少し仮眠をとり、大浴場で体を休めたらナチュラルハイとなっており、宴会前だというのに目は血走り、アルコールに飢えた獣のようになっておりました。

なんか恐そう

皆さん訓練から解放されて、あとは飲んで帰るだけですからね
各機関の猛者達が集まっているので、ここからの懇親会はよくわからないプライドがぶつかり合い、飲んで騒いで暴れて大変なことになります。

(犯罪行為はしていないのでご安心ください、、、多分)
テント暮らしの訓練でヘトヘトになっていて、温かい布団でゆっくり眠りたいのに、必ず懇親会がセッティングされ、誰も逃げられません。
最後に

もし、この記事を読んでいて、レスキューに興味があり、JDRを将来的に目指している方は、何より飲みニケーションに対する免疫をつけておきましょう!
馬鹿話から、レスキューの熱い話、よくわからない自慢話、超横暴なパワハラ会議などなど、壮絶な飲み会が繰り広げられますので、今から鍛えておきましょう!

ちなみに私は最後トイレに隠れて寝ました。



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