海上保安庁に限らず、仕事をしているうえで訛りや方言に悩まされたことはないでしょうか?
海上保安庁は全国から人が集まり、集団行動を行っているので、各地方の方言が日々飛び交っております!

そんな海上保安庁で体験した方言珍事件をご紹介させていただこうと思います。
海上保安庁方言珍事件
海上保安庁の巡視船には、様々な地方から人が集まって形成されており、その中では様々な言語が飛び交っているのです!

みんな方言なんですか??

ほとんどが標準語なんですが、訛りは結構多いですねぇ。方言については咄嗟にでてしまう方や、バリバリ方言の方もいらっしゃいます。
そうなんです。
バリバリ方言の方は基本的に何を言っているのかわからないので、聞き直すことによって内容を確認できるのですが、咄嗟に出る方言が中々厄介なものとなっているんです。
EPISODE1 ちょすな
そんな様々な言語が飛び交う巡視船の中で事件が起こりました。
停泊中機関室で作業をしているときのことでした。機関長と一緒に機関の整備をしていると、機関長が私の作業を見てこう言いました。

それ、ちょすなよ

え?

いや、お前まだ出来ないだろ?だからちょすなよ

ちょす?

ああ、ちょすなよ
落とすなってことかな?と思い、丁寧に機関の部品を外そうとする私を見た機関長。

だからちょすなって言ってんだろぉがぁ!

だからちょすってなんですかぁ!

触るなって言ってんだよ!
最初から触るなって言ってくださいよ!と反論したところ、東北をバカにしているのか!?と機関長のお説教が始まったことは言うまでもありません。

これが世に言う「ちょす事件」の真相となります。
EPISODE2 ケッタマシーン
とある何もない穏やかな巡視船業務中のこと、次の休みに自転車でツーリングしよっか、などという他愛のない話をしていたときのことでした。
ちなみに巡視船の配置されている場所は、海に面しており、比較的都会とは程遠い場所に位置しておりますので、ツーリングなんかにはもってこいの職場環境となっております。
(横浜なんかは都会ですが、、、)

俺も行きたいです!
そう言うのは保安学校から出たての船内居住者「佐橋君」(仮名)でした。
もうじき船内居住も終わるし、なかなか真面目に業務をこなしていたのでツーリングに連れて行こうかと思いましたが、自転車持っていないよな?と思い、自転車について聞いてみました。

いいけど、チャリ持ってないよな?

はい!なので、入港時にケッタ買いに連れて行ってくれませんか?
ケッタ??チャリのことか??とりあえず会話を続けてみよう。

この辺じゃあ良いの無いから、市内まで買いに行くか?それとも安いヤツでいい?

せっかくなんで良いケッタ買いたいです!
やっぱり「ケッタ」=「チャリ」だよな?なんでチャリって言ってるのにわざわざケッタっていうんだ?
その後の会話も、「チャリ、自転車」が「ケッタ」に変換されるので、ワッチ業務の終わりに佐橋君に何故「ケッタ」に変換されるのか聞いてみることにしました。

なぁ、なんでケッタっていうの?

え?自転車ってケッタって言いますよね?

いや、チャリ、もしくチャリンコじゃない?ケッタなんて聞いたことないよ。

え!?ケッタって自転車の略称じゃないんですか!?ケッタマシーンって言いませんか!?

いや、言いませんよ?どこの生まれの方ですか?

愛知です。。。まさか、共通言語ではないとは。。。

衝撃の事実を知った佐橋君の、21歳夏のお話でした。
EPISODE3 今日はんごろしにしよう
最後にとんでもない衝撃を受けた方言をご紹介いたします。
それはある日のこと、巡視船の出港日の出来事でした。
いつものように出港準備を行い、何事もなく出港。警戒海域に向かっている途中のとでした。

今回は特に予定が無いから、なんか訓練でもしますかね?

そうだねぇ、レンジャー訓練でもしようかねぇ。
なんて会話をしながらワッチをしておりましたところ、女性保安官の「高田さん」(仮名)が会話に乱入してきました。

今日訓練終わったら「はんごろし」ね!
。。。?え?なぜ?私何かしましたでしょうか?
急に話に入ってきて私に殺害予告をしてきた高田さん。
何故かとても笑顔なのが本当に怖い。
なにかしてしまったのだろうかと考えてしまいました。

なぜ「はんごろし」なのでしょうか?

だって訓練終わったら疲れてるでしょ?「はんごろし」ちょうどいいじゃん!
疲れているところを「はんごろし」だと!?こいつ!完全に俺を〇しに来てやがる!!そんなに露骨にいうほど、私を憎んでいるのでしょうか!?

船の人全員分「はんごろし」あるから!
!!!
なんだと!?俺だけじゃなくて船員全員を「はんごろし」だと!?クレイジーだ!高田さんはこんなにもクレイジーな人だったのか!!
船橋の空気がピりつく。
ワッチ中の船員も自分が「はんごろし」にあうのではないかと怯え、あるものは「やられる前にやる」という決死の覚悟が表情に現れていました。
警戒海域に到着し、警戒業務を実施中に潜水士の訓練をおこなう。
訓練中も訓練後に「死」が待っていることを考えると、普段はやめに終わってほしい訓練も、永遠に訓練を行っていたい気持ちになっていました。
訓練終了後、高田さんに呼び出される潜水班。
高田さんが待ち構えている公室に向かいました。

待ってたよ~!はい「はんごろし」ね!
そういって目の前に出されたものは「おはぎ」でした。

え?なんですかこれ?

「はんごろし」だよ?ああ、こっちだと「おはぎ」だっけ?
なんだと!?「おはぎ」のことを「はんごろし」なんて凶悪なネーミングをするところがあるとは!!
高田さんに話を聞いたところ、富山県では「おはぎ」のことを「はんごろし」と呼んでいるとのこと。
だから別に私たちを「皆〇し」にするつもりはなかったとのことでした。
最後に
このように海上保安庁では、全国からあらゆる方言を使用する猛者たちが集まってきます。
皆さんも海上保安庁に入庁して、日本の隠された言語に出会ってみてはいかがでしょうか??

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