
元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「離職率」についてのお話です!

海上保安庁の離職率ってどのくらいあると思いますか?
正直なところ正式なデータというものは公表されていませんが、かなり多いです。

私が海上保安庁に勤務していた時も、毎年何人も知り合いや同期が辞めていったのを覚えています。

元海保さんも辞めてますしね。

そうなんです!私はメンタルがやられてしまったとかではないのですが、辞める方の理由としては精神的な部分が多かったように感じます。
海上保安庁の離職率

海上保安庁に限らず、どの職場でも共通して言えることは「人間関係」が大変ということではないでしょうか?

海上保安庁も例外ではなく、信じられないくらい横暴な上司、先輩、そして同期が存在します。
まず海上保安学校なんてものは「全国から子供」が集まってくるような場所で、中学校や高校となんら変わりない「人間関係」が構築されています。

簡単に言ってしまうと「気に入らない奴は虐める」or「無視する」といったところでしょうか。

え?海上保安学校ってそんなところなんですか?
全員がそういった人間ではもちろんありませんが、高校なんかにもいましたよね?
いじめをしたり、おとなしい人をからかったりする人が。
そんな感じの人もいるんです。

同じ志を持って海上保安官になったのに?

どこにでもいるんですよね。「注目を浴びたい人」「誰かの上に立ちたい人」という欲求と衝動で行動する人が。
海上保安学校での離職理由

海上保安学校に入学して1か月そこそこ経った頃、大体同期の特徴や性格が分かってくる頃でした。

「○○君は気が強い」「○○君は面白い」「○○君は空気が読めないウザいヤツ」
のようにキャラクターが出来上がってきており、自ずといじめやストレス発散のターゲットが確定していきます。
大体のターゲットは「空気が読めない」「ウザい」といった「コミュニケーション能力」が低い学生となります。

そんな人いっぱいいませんか?

いるんですけど、どこか天然っぽかったり、可愛げがあると除外されるんですが、そんなものがないと格好の的となってしまいます。
私は機関科だったのですが、主に授業では班別の授業が多く、同じクラスの学生が全員集まるということが少なかったということがあり、自分たちの班や一緒に授業を受ける班以外の学生と関わる頻度が多くありませんでした。
私たちの班はほとんど同い年といったこともあり、比較的仲の良いグループとなっていたので「いじめ」なんてものは発生せずに楽しくやっていましたが、別班のメンバーは年がバラバラで足踏みが揃っていないところがチラホラ見受けられました。

この日は久しぶりに同期全員での授業となり、久しぶりに顔を合わせる学生が多くいました。
その中の一人が入学した時とは「別人」のように暗く、また班員から浮いている印象を受けました。
遠目から見ても様子がおかしかったので声をかけてみることにしました。

おい、どうした?元気ないじゃん!

、、、うん

どうした?具合悪いのか?飯食った?

、、、僕に話しかけて大丈夫?

どうして?風邪ひいてんの?

、、、僕に良くしてくれると、班員の○○に標的にされるよ?
そういうと彼は同期の○○のほうをチラッと見ていました。
私もそっちを見てみると、彼の班員からドス黒いオーラが発せられているのが感じ取れました。

何あいつら?ちょっと文句言ってやるよ

大丈夫だから。ありがとう。

なんかあったら俺の部屋来いよ!
それから二日後、彼は海上保安庁を離職することになりました。
突然のことで驚きましたが、学校から出ていく前に彼が私に会いに来てくれました。

辞めることにしたよ

あいつらになんか言われたのか?

そうなんだけど、これ以上ここにいると、「僕が死ぬ」か「僕があいつらを殺す」かどちらかになると思った。
だからそうなる前に辞めることにした。
かなり衝撃的な内容でしたが、彼なりに気持ちをコントロールしてこの結論に至ったということは本当に凄いと思いました。

よく踏みとどまってくれたと本気で思った出来事でした。

衝撃的ですね、、、
そうなんです。人間関係って本当に大変なんです。
現場での離職理由

海上保安学校では同期同士の醜い「いじめ」によって辞める人がいましたが、現場では同期は少数、もしくは同期がいない状態での巡視船生活がスタートします。

そんな中で離職の理由として真っ先に思い浮かんだのが「上司のパワハラ」です。
私自身も現場にでてすぐ「機関長」にボケだのカスだのなんだのかんだの言われ、寝込みを襲って〇してやろうかと思うくらいパワのハラをされたものです。
そんなとんでもない上司たちのお話はこちらの記事に書いてありますので、参考までにどうぞ!
海上保安庁って基本巡視船勤務となって、大きい船だと一週間から十日くらい海の上にいることがあるんです。
たまに補給などで帰ってくることもありますけど、補給しても陸に上がることなく出港するなんてことはよくあることです。
しかも休日は遠くに行くのにも許可が必要で、夜中でも海難が発生すると呼び出されることがあります。

そして何より「陸上勤務」がとにかくキツイ!
給料も「公安職」から「行政職」になり給料は安いのに激務!
毎日帰れる(帰れない部署や超遅くまで働く部署も存在)が、その分食費もかかれば光熱費もかかるといった劣悪な環境。

え?いいとこ全然ないじゃないですか?

でも船に乗っていると衣食住のお金はかなりお得ですし、キツイ分長期の休みが取れたりするというメリットもあるんです。
ただ、普段の業務が辛い人は結構いましたね。
寿退社

これも女性ではあるあるなのですが、女性海上保安官は結構この割合が多いと感じました。

最近では育休や休業を経てカムバックできる仕組みが出来てきており、結婚で離職する方は減ってきてはいるのかな?
と思いますが、それでもこの割合は多く存在しています。

寿退社は良いことじゃないですか!
そうなんですが、海上保安官同士で結婚して、女性保安官が辞めたり休業すると、人事に人員の補填やなんやでぶつくさ言われているのを目撃しましたので、結婚するなら部外の人間をお勧めいたします。
レアパターンな離職理由

これまでに紹介した「離職理由」が大体を占めているのですが、中にはレアなパターンが存在していますので、簡単に紹介させていただきたいと思います!
・潜水士をやって医者になりたいと離職
・消防にスカウトされ離職
・レスキュー以外何もできなくて離職
・船酔いで栄養失調になり離職

などなど他にも色々あるのですが、身バレしそうなんでここまでにしておきます。
最後に

今回は少しネガティブな内容になってしまったのですが、海上保安庁だけでなくどこの職場でもいえることですが、学生時代にしっかりとコミュニケーション能力だけは身に着けておきましょう!
という内容となっております。

コミュ力があれば意外となんだって乗り越えられます!



コメント