皆さんはフェリーに乗ったことはありますでしょうか?
大型の海外まで行っちゃうようなフェリーから、国内のフェリーまで多々あるのですが、海上保安庁ではフェリーの乗務員に救急講習をさせていただいたり、逆に海上保安庁がフェリーを使わせてもらい、フェリーから要救助者を岸壁に搬送する訓練をさせていただくことがあります。

またフェリーでの事故などについては過去記事に掲載しておりますので、そちらも見ていただけると嬉しいです!

フェリーと海上保安庁は関係が深いんですね

そうなんです!やはり海で働く者同士、しっかりと連携していかないといけませんからね!
ということで今回の記事は、海上保安庁とフェリー関係者たちがどのような訓練をコラボレーションするのかをご紹介させていただきたいと思います。
海上保安庁救難隊の毎年恒例訓練
私が機動救難士をやっていたころの話ですが、年に1回ほどフェリーでの訓練が実施されておりました。
フェリーの訓練は主に2つありまして、1つは乗務員に対してAEDなどの使用方法や人工呼吸、心臓マッサージ(胸骨圧迫)のような1次救命処置を指導します。
また、簡単な搬送方法なども併せて指導させていただきます。
2つ目は私たち機動救難士や巡視船の潜水士がフェリーをお借りし、フェリー内で発生した要救助者を岸壁に搬送する訓練を実施いたします。

1次救命処置ってなんですか?

良い質問ですね!1時救命処置とは呼吸が止まり、心臓も動いていないと見られる人の救命へのチャンスを維持するため、特殊な器具や医薬品を用いずに行う救命処置であり、胸骨圧迫と人工呼吸からなる心肺蘇生法(CPR)、そしてAEDの使用を主な内容とするものとなります!

難しそうですね、、、

簡単に言ってしまえば、救急車が来るまでに、近くにいる人がAEDや心臓マッサージをしてください!っていうことです!
詳しくはググっていただくか、siriに聞いてもらえれば調べられますので、興味があっても、興味がなくても必ず確認しておいてください。
知っているのと知らないのとでは実際に救命の現場に遭遇した時に対応が変わってきてしまいますから。
自分の子供や、大切な奥様、旦那様、両親や兄弟などが目の前で救命処置が必要になったときに、ご自身が大切な人を助けられるように覚えておきましょう。

フェリー訓練当日
フェリーの乗務員の方々に指導するために、基地で入念な事前訓練を実施し、練習用のAEDが足りない為、段ボールを工作し手作りAEDを制作。
その他にも自分たちが行う搬送訓練などの準備を行い当日を迎えました。
岸壁に着けているフェリーに到着すると、関係者の方が船内に案内をしてくれ訓練場所に到着。AEDや「レサシアン」を配置し訓練準備が完了いたしました。

レサシアンってなんですか?

レサシアンというのは、心臓マッサージの練習をしたりする等身大のマネキンみたいなものですね!
あとは「アンちゃん」という少し小さいダミー人形もあるんですよ

乗務員の訓練
訓練準備が完了してすぐ、乗務員の方々が訓練場所に集まってきました。
訓練に参加してくださる方々は、主に売り子の女性の方やリネン関係のお仕事されている方などの、よくお客さんと接する方々となります。

いち早く救命処置を行うためには、お客様に近い職員の方々がしっかり技術を身に着けているのが一番ですからね!
訓練参加者の方々が集まったところで、メンバーの班分けを行いいざ訓練を開始!
最初に海上保安庁の職員がお手本を見せ、実際に船員の方々に訓練を行っていただくことになりました。
流石に船員の方々はすごく一生懸命やって下さり、研修している側の私たちも、その熱意に関心しきりでした。

皆さん安心してフェリーに乗ってくださいね!
乗務員さんたちの訓練が順調に進み、問題なく訓練は終了。
しばらく休憩をしたのちに、要救助者の搬送訓練が始まります。
その間フェリー内で休憩していると、売り子のお姉さんがコーヒーを持ってきてくれました。
先ほどは訓練ありがとうございました!勉強になりました!

こちらこそ、あんなに一生懸命に訓練していただいてありがとうございます!
海上保安庁の方々ってカッコいいですね、、、

いやぁ、制服着ているからですよ!
今度私服も見てみたいです。よかったらみんなでご飯でも行きませんか?

はい!喜んで!!
このように仕事を一生懸命やっているとご褒美があるんですよね。
要救助者搬送訓練
先ほどの売り子さんとの幸せタイムが過ぎ去った後、機動救難士と巡視船の潜水士との合同訓練inフェリーが実施されました。
想定としては海上のフェリーにて要救助者が発生、ヘリにて機動救難士が現着し、接舷している巡視船に搬送するといったものです。
私を含む3名の機動救難士が船内に到着し、要救助者を発見。
初期観察を実施し搬送を開始。巡視船に引き渡すためのロープなどを設置し搬送を開始。
そのような流れにて訓練が無事に終了いたしました。

訓練内容については話し出すとメチャクチャ長くなるので、ざっくりと説明させていただきました!
最後に
無事にすべての訓練が終わり、帰り支度をしていると、先ほどのお姉さんが駆け寄ってきて連絡先をくれました。
連絡待ってますね

はい!喜んで!
それからすぐに連絡を取り、海上保安庁とフェリーの売り子さんによる飲み会が開催されることになりました。
残念ながら私は誰とも縁がなかったのですが、後輩が売り子さんと付き合うことになり、めでたしめでたし!といった感じだったのですが、それから数か月後に残念ながら別れてしまうことになりました。

男女のことですから仕方がないですよね
それからまた数か月後、年に1回のフェリーの訓練がやってまいりました。
そこにはもちろん私の後輩と元彼女がいまして、その時の訓練にて再開する2人の運命はいかに!!
それはまた別のお話、、、

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