
皆さん!元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「超危険な訓練」についてのお話です!

潜水訓練ってどんなことやるんですか??
そんな疑問が多くあるかと思ったので、今回記事にしてみたいと思います。
訓練といえば、海猿でおなじみの重りを持って泳いだりとか、緊急浮上!
とかを思い浮かべる人もいるかと思います。

たしかにそういった訓練も行います。
ただ、重りはウエイトではなくボンベだったり。。。
今回は自分でも危なかったなぁと思う訓練を一つ紹介させていただきたいと思います。
潜水士の危険な訓練


それは荒れた海の岩場で行う痛い訓練。
波に合わせて泳いでいき、岩場に上るという訓練だが、波に合わせられなかったりすると、体が岩場に直撃してかなり痛い、最悪ケガをすることもあります。
この訓練を行ったときは、私はまだ潜水士なりたてのいわゆる新人潜水士でした。
初めての訓練にて磯波訓練をおこなうという班長のドS加減は半端なく、先輩潜水士達もニヤニヤしておりました。

このやろう、見てろよ!!
初めての磯波訓練

そんな新人いびりを跳ね返してやろうと訓練に挑みました。
訓練海域に到着し、搭載艇にて岩場に向かい、岩場付近からは泳いで訓練場所まで向かいました。

うわぁ、こんな荒れた海でやんのか。痛いのはやだなぁ。
なんてことを思いながらも、まずは先輩潜水士がお手本を見せてくれることになりました。
潜水班長→成功
(超絶うまかった)
潜水士3年目の先輩→成功
(なんなくクリア)
潜水士2年目の先輩→成功
(なんなくクリア)

あれ?結構簡単なのかな?見ている限り、自分にもできそうだな。
潜水士直近の先輩→失敗
(岩場に強打、意気消沈)

おいおい、直前で失敗するなよ!不安になるじゃあないか!
死を感じた訓練

とうとう自分の番になり、いざ海面に。
思っていたよりタイミングをつかむのが難しく、また先ほどの強打を見てしまったせいか、思いっきり行くのに躊躇いが生じた瞬間、意図しないタイミングで波に乗ってしまった。

しまった!!
岩場に強打することを回避しようと体をひねると、その先の岩場と岩場の隙間に吸い込まれ、海の中に引きずり込まれてしまいました。

これは流石にヤバい。出れなかったら死ぬ。
直感でそう思いました。
ただ、入ってきたところは波が激しいため、再度吸い込まれる恐れがあったので、波の影響の少ない方向を探し、何とか隙間から海面に脱出することに成功。
呼吸止めの訓練はこんな時に生きるのだと思った瞬間でした。
反対側で自分を探している班長達のもとへ急いで向かい。

OKでーす!
と言いながら戻ったところ

全然OKやないやないかい!!
とコントのような下りがあったとかなかったとか。
とりあえず無事に船へと戻ることに成功いたしました。
最後に

船に帰る搭載艇で、自分のウエットスーツを見てみると、数か所切れて穴が開いているところがあった。

本当に危なかったんだな。
そう思うと同時に、

作ったばっかなのに。。。
というショックも大きかった、新人の頃の訓練のお話でした。

やはり、自然の力はすさまじいですね。

皆さんも夏場に岩場で遊ぶときは注意しましょう!


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