
皆さん!元海上保安官の「元海保」です!
今回のお話は「ゾッとする体験談」のお話となります!
最近怖い話ばかりブログにしておりますが、最近暑くなってきたので、ちょっとヒンヤリしてもらえたらなぁ。
という思いであります。
よく質問で、

ご遺体などをよく見られるんですか?
とか、

幽霊とか見ないんですか?
とか聞かれるのですが、海保や警察などは否応なくご遺体は見ることになります。
幽霊に関しては霊感に関係してくるのか、しっかり見たことはないんですよね。
おそらく、シックスセンスは私にはありません!

なくてよかったーーーー!!
海上保安庁のゾッとする話

そんなシックスセンスのない私にも、ちょっと変わった体験というものがありますので、ご紹介させていただこうかと思います。

その日は車両転落が発生した日でした。
夜中に連絡があり、潜水士3名にて現場に向かうと、消防のダイバーが先についており、車両転落の位置を特定してくれていました。
深夜の潜水はあまり経験がないらしく、また深度もギリギリ10mを超えており、尚且つヘドロで視界が悪い。

位置特定のみで海保の潜水士に引き継ぎます!
消防ダイバーから現場を引き継ぎ捜索を開始することになりました。
消防のダイバーとはよく連携することがあり、顔見知りも多く、とても仕事の引継ぎがスムーズであった。
自殺現場の捜索

引継ぎが完了し、潜水を開始。

消防ダイバーが場所を特定してくれていたので、早期に発見することが出来ました!
車両の状態はフロントがヘドロに突っ込んだ状態で、車のリア部分、トランクの部分がかすかに見えている状態になっていました。
ヘドロをまき上げないよう車に接近し、トランクのドアを開放。
中を見てみると、運転席に人影が見えました。

自殺か。

車両転落で座席に座っている場合は、ほぼ自殺で間違いない。
潜水士の中で一番小型の私が車両に入り、後部座席のヘッドレストを外し奥に侵入。
運転席の人に手をかけるもシートベルトがしてありました。
シートベルトもついていると、かなりの覚悟だったんだと感じます。

早く陸にあげてあげたい。
そう思いました。
シートベルトを外し、ようやく運転席から人を出したとき、はじめて女性だと分かりました。
自殺について思うこと

この仕事をしていると、よくご遺体の顔を見ることがあります。
たまにユーチューバーやティックトックの人で、自殺しようとしている方に、

自殺している人に安らかな顔をしている人はいない!
みたいなことを言っている方を見かけることがありますが、実際はどうなんでしょうか。
私がみた車両転落でなくなっている方は、みんな眠っているように安らかな顔をしています。

本当にただ眠っているような顔です。
自殺を考えている人に、楽になるんだよ。
なんていうつもりも、自殺を進めるわけでもありませんが、人それぞれ考えがあり、苦しみもいろいろだと思います。
だから、無責任に死んだってしょうがねえだろ!
生きてれば何とかなるんだから生きろ!
なんていうこともできません。
ただ、自殺をする覚悟があるんだったら、その覚悟で何かやってみてはどうかな。
と思います。
何もやらずに死を選ぶよりは、なにか他の道が見えてくるかもしれませんから。

すみません。話がそれてしまいました。
機関室に人影

女性を車両から連れ出し、陸にあげて消防に引き継いで、その日は船に戻ることになりました。
船に戻りシャワーを浴び、潜水班にて今日の振り返りを行って解散。

私は当直だったので、船で就寝しました。
(潜水士とかは関係なく当直業務があります)
朝、船に暖房をつけるために4時ごろ起床。
機関室に行きボイラーを起動。
朝は強いほうだったので、ボイラーを起動中、静かな機関室内で筋トレをしていると、ふと機関室の上の部分に人影が見えたような気がしました。
上に行ってみると人はいない。

おかしいな?
と思いながらもボイラーに戻ります。
ボイラーの水面計を眺めていると、また人影を感じます。
スッと近くを誰かが横切るような感じがしたので、所英男のバックブロー並みの速さで後ろを振り向くも、誰もいない。
かすかに感じたのが、昨日の車両転落で引き揚げた女性の雰囲気でした。
そう感じたのは、しっかり顔を確認していたせいなのか、それともご遺体を見た後で、自分でも感じていないストレスが脳に幻覚をみせているのかは、いまだにわかりません。
最後に


私はシックスセンスがまったくありません。
ただ今回感じた気配に関しては、
陸に戻してくれてありがとう
そう女性が伝えに来てくれたと思うようにしました。
その後、機関室にはそのような気配を感じることはなくなりました。


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