密漁犯を確保せよ！真冬の山の中で張り込み捜査をする海上保安官！

海上保安庁24時！密漁犯を確保せよ！

世間一般的な海上保安官のイメージは、海の上でパトロールしていたり、かの有名な「海猿」のように救助活動をしているイメージが強いのではないでしょうか？？

実は警察官のように「捜査」したり、密漁犯を「逮捕」したりすることもできるんです！！

今回の内容は巡視船に乗っている海上保安官の話ではなく、陸上の「警備課」にお世話になっている時の話となります。

海上保安庁はレスキューだけじゃない！！

臨時陸上職員となった私

とある潜水指定船に乗船していた頃のお話です。

潜水士になって5年ほど経っていた時のことでした。ひょんなことからことから「国際緊急援助隊」の訓練に参加することになり、年間で数回程度訓練の為、船を下船することになっていました。

トルコ南東部を震源とする大規模地震に対する国際緊急援助隊の派遣！

トルコに派遣されている国際緊急援助隊を皆さんご存じですか？このレスキューチームについてご説明します。

motokaiho.com

2023.02.23

この時も兵庫県で泊まり込みの訓練がある為、下船して訓練に参加することになったのですが、巡視船の行動予定があわず、年休（有給）を取得して休みにするか、臨時で陸上職員になって仕事をするかの二択を迫られました。

年末に大型連休を取得する予定だったので、行きたくはなかったのですが、数日間陸上職員として仕事をすることになりました。

警備課の洗礼をいただく私

私は潜水士だったので、当然「救難課」でお世話になるのだろうと意気揚々と保安部に出勤したところ、「救難課」に私の席はありませんでした。

先輩の笑い声が後ろから聞こえてきましたが、意気消沈して隣の警備課へ向かいました。

なぜ私がこんなに「警備課」に行きたくないかといいますと、現在進行形で密漁事案に取り組んでいることを知っていたからなんです。

何度か密漁班が「密漁したモノ」を隠していると思われる場所に、潜って確認しに行くこともあったので、おそらくまだ捜査は続いているはずです。

案の定、私の予想は当たってしまいました。

開口一番に出た死刑宣告。

警備課長のドスが効いた声に一蹴され、密漁事案に参加させていただくことになりました。

まずは午前中、密漁犯グループの自宅周辺を確認し、動向をチェック。

密漁犯のモノと思われるプレジャーボートの位置を確認し、夜中動き出すのを待つことになりました。

そう。ここから私の人生初張り込みがスタートいたします！

山と係長と私

警備係長と二人、先ほどの場所から離れた、少し見覚えのある山に到着。

山の上から下を覗き込むと、そこにはボートが入ってこれそうな入り江がポツンと存在していました。

と内心ハラハラドキドキしておりましたが、訓練のことを考えると憂鬱になり、ただただ風邪だけはひかないようにしなくては！と思い、ただ黙って張り込みを開始しました。

一緒に張り込みをしている係長と静かな空間。全然動きもないまま数時間が経過。

すると、係長が重たい口を開き、話しかけてきました。

みたいなやりとりをしていると、入り江にボートが着岸、何やら海に投げ捨てているように見えるのですが、肉眼では捉えきれませんでした。

写真を撮影しようにも、暗すぎるし遠すぎるしで良い写真が撮れませんでした。

しくじったな。そう思っていると、普通の顔をしている係長。

張り込みは寒くてかなりしんどかったのですが、密漁班を確認するだけだったとは、、、最後はかなりあっけなく終わってしまったのですが、後日壮絶な現行犯逮捕劇が幕を開けるのでした、、、。

最後に

いかがでしたでしょうか？海上保安庁ではこのように上司の軽いパワハラにも「ありがとうございます！」という気持ちをもって業務に取り組み、刑事ドラマのような張り込みなんてものもしてしまうんです！

踊る大捜査線に憧れていたけれど、警察が不合格になってしまった！なんて人は、海上保安庁に入庁して、踊りながら大捜査してみてはいかがでしょうか！？