
皆さん!海上保安庁の巡視船って一般公開以外では中に入って見学は出来ないんです!!
おそらく誰しも「そんなことは分かっているよ」と思っていただけると思いますが、稀に停泊している巡視船に近づいてきて、海上保安官がいると見学できるかどうか聞いてくる方がいらっしゃいます。

確かに海上保安庁の巡視船も、誰でも入れるようなところに停泊しているからな。
タラップも降りてるし、見学できるかも!なんて思う人もいるよな。
見学できるかも?と思って声をかけていただき、見学できない旨伝えてすぐ納得していただける方が大半なのですが、中には簡単に納得していただけない方もいるんです。

巡視船の見学を巡った悲しい物語の始まりです
巡視船は国家機密
海上保安庁の巡視船は、国土交通省所属(外局ですが)の国家の船でありまして、そんな簡単に一般の方が見学できるようなものではないのです。

巡視船の中が見たかったら「海上保安官」になるか「一般公開」を待ちましょう!
レアな道のりですが、船舶の点検や工事をおこなう「ドック」の作業員になると海上保安庁の巡視船を整備するために中に入ることができます!
でも、「ドック」の整備員になるより、公務員試験を受験して海上保安官になるほうが簡単な気がします!

巡視船が停泊している場所
海上保安庁の巡視船が停泊している場所を皆さんご存じでしょうか?
私自身全ての管区にいたことが無い為、全ての管区に当てはまることではないのですが、海上保安庁の巡視船って、意外と観光地に近いところに停泊しているんです!

第三管区海上保安部横浜海上保安部の巡視船なんて、赤レンガ倉庫の前に停泊してますからね!

そんな観光地に停泊しているもんですから、観光客の方も気になってしまう訳なんです。
なので、見学できるかどうか確認しちゃうのは、海上保安庁の責任でもあるわけです。
ただ、見学できないと分かったら、怒らず納得していただけると嬉しいです。
怒られてたり、駄々こねられても、見学は出来ませんから。。。
怒れる観光客が現れる
そんな観光地に停泊している巡視船に当直で勤務していた時のことでした。
その日は土曜日であり、何やら連休ということもあり、巡視船の近くにも多くの観光客が溢れていました。

船外にでると、話しかけられるかもだから、船内でおとなしくしていよう
船外に出たらおそらく話しかけられるだろうと思い、シャイな私は船内の機関室でプレートを拭き続けていました。
しばらく無心になってプレートを磨いていると、一緒に当直をしている上席から保安部へのお使いを頼まれました。
海上保安部は大体停泊している巡視船の近くにあるため、当直の時はしばしば保安部に行くことがあります。
タラップの近くでは観光客が巡視船をバックに記念撮影をしている姿が、ポールド越しに見えます。
意を決して船外に飛び出し、保安部へ向かおうとタラップを降りた瞬間、家族連れの気の強そうな男性が声をかけてきました。

この船ってさぁ、見学ってできるの?

巡視船は一般公開の時にしか見学できないんですよ!すみません。

え?なんで?
おっと、、、
何故「なんで」と聞いてくる?
何故「見学できない」ということで納得してくれない?
何故「そんなに怒っている」??怒りたいのはこちらだが、、、

巡視船は居住区もありますし、緊急出港などもありますので、見学とかはできないんですよ。
機密事項なんかもありますからね。
これだけ言えば納得してくれるだろう。
早く保安部へ行って用を済ませなければ!そう思っていると、観光客から衝撃の一言が発せられます。

わざわざ観光に来てんだよ!何で見れないんだよ!
観光地だろ!?観光させろよ!!
ダメだ、この人には何を言っても通用しないのだろう。
そう思い、マクドナルドの店員さんも引くほどの「満面の笑み」で、、、

またのお越しをお待ちしておりまーす!!
と全力の対応をしたところ、散々文句を言われましたが、巡視船への侵入を阻止することが出来ました。
巡視船に興味を持っていただけるのは嬉しいことですが、「ダメなものはダメ」ということを理解していただければ幸いです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
確かに観光地にある巡視船には「見学できるんじゃないか?」という期待があるかもしれませんが、冒頭でも言いました通り、巡視船の中に入りたければ「海上保安官」になるか「一般公開」を待つ。
もしくは「ドックの整備員」になる。

イベントの少ない海上保安庁の「一般公開」を待つよりは、海上保安官になったほうが早いかも!
ということで、年齢的にまだ間に合うのであれば、海上保安庁の試験を受けてみましょう!!
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