
元海保さん!海上保安学校を卒業したあとの巡視船業務ってどんなことするんですか??

そうですね。船の大きさによっても多少違いがあるんですが、大まかにご説明いたしましょう!
今回は海上保安官として巡視船業務というのは経験することになりますので、その業務内容に触れてみたいと思います!

船に乗らない人もいます、、、
海上保安庁の巡視船業務について
大まかな巡視船業務については以下の通りとなります。
- 出港作業
- 見張り・運航業務(ワッチ)
- 警戒業務
- 警備業務
- 救難業務
- 入港作業
- 当直

巡視船業務をざっくり言いますとこんな感じです!
それでは少し詳しくご説明いたします!
出港作業
海上保安庁の巡視船業務で一番最初に行うことは「出港作業」となります。

船が動かないと仕事になりませんから!
出港作業については、当直職員が事前に少し準備をしておき、乗組員のが来るのを待ちます。
乗組員が揃ってきたら出港作業を開始し、出港という流れとなっております。
それでは各科の出港作業をざっくりご説明いたします!
航海科
- 当直職員が清水タンクの容量を確認し、少なければ補給
- 係留索を天候に応じて減らしておく
- 乗組員が揃い、機関科の準備が整ったらタラップを回収し、係留索とアンカーを回収
- 出港

航海科はロープの管理だったり、甲板で作業する人と、船橋で操船する人がいます!
機関科
- 当直は「主機」や「補機」の暖機(機械を温める作業)
- 乗組員が揃ったら、船内電源に切り替え、エンジンを起動
- 陸上電源ケーブルを回収
- バウスラスタなどを使用する場合は船橋にて操作
- メインエンジンの回転数など、航海科の指示によって操作
- 出港

機関科は主に機械の起動と点検がメインになりますが、船橋で運航作業も行います!
主計科・通信科
- 主計科は船によりますが、航海中の食料を積み込んだりします(当直中にやることが多い)
- 主計科の若手は、甲板作業のお手伝い(係留索やアンカーの巻取り作業)
- 通信科についても、若手は甲板作業を行うことが多い

みんな助け合っております!
見張り・運航業務(ワッチ)
出港作業が終わりますと、次は目的地まで巡視船を運航するのですが、その時海上保安官全員で運航するわけではありません。
「ワッチ」と呼ばれるアルバイトでいう「シフト」みたいなものがあり、交代制で運航や見張りを実施するのです。

・8~12(ぱーぜろ)
・12~16(ぜろよん)
・16~20(よんぱー)
主に3交代となっています!

PLHみたいな大きな巡視船だと4交代のところもあるけどな!!
警戒業務
巡視船のメイン業務の一つとして、「警戒業務」というものがあります。
こちらの業務は「原子力発電所」や「火力発電所」など、海沿いにある発電施設の警戒であったり、テロ対策を実施しています。
その他にも各国の偉い人がきて色んな難しい話をする「各国首脳会談G7・G8」の警戒業務も行っております。

一番楽しい警戒業務は「花火大会」だけどな!特等席だぜ!!

警備業務
「警備業務」とは、海に浮かんでおりますプレジャーボートであったり漁船などにお話しを伺い、免許や法廷備品を確認して、違反をしているかどうかを確認する業務になります。

警察でいう車の取り締まりですが、これがまた嫌われる作業なんですよね
そうなんです。この業務については「ワッチ」以外の海上保安官で行い、搭載艇を降ろして船に取り締まりに向かいます。
よく警察24時とかにもあると思いますが、違反者がよく言いますよね?

ふざけんな!俺以外のヤツも全員捕まえろよ!!
海の上でも同様のことが起こります。
とんでもなく罵声を浴びることもあります。
海に免許証を投げられることもあります。

船に乗る皆さん!違反しなければいい話なんですけど!!
この他にも密漁事案の捜査なども「警備業務」に含まれております。
救難業務
「救難業務」ですが、こちらは潜水士が乗っている巡視船であれば、潜水捜索であったり、流されたサーファーを助けたりしに行くことを救難業務と言っておりますが、潜水士が乗っていない巡視船についても救難業務が存在しております!
エンジンの不良などによって、航行不能になってしまった船を「えい航」したりすることも立派な救難行となっておりますし、手漕ぎボートが遭難したのを救助することだってあります。
また陸地に乗り上げてしまった船などから搭載艇や陸地からアプローチして救助することもします。

潜水士にならなくても救助活動はできるんです!
入港作業
入港作業については「出港作業」の逆バージョンです!
航海科はロープの準備をして、岸壁で待機しているもやい取りの職員にレッドを投げます!

レッドのミスは恥ずかしい&レッドが当たると痛いので、絶対に人に当てないように!!
ロープで係留し着岸します。
機関科はエンジンを停止し、陸上電源に切り替えます。
着岸後、航海科はすぐに洗体清掃と清水の補給を実施し、機関科は必要に応じて燃料の補給を行います。
主計科は入港する時間によって食事の準備などをしております。
当直
入港後、当直以外の海上保安官は休みとなり下船します。
ただ巡視船の管理をしなくてはなりませんので、数名で当直をおこない巡視船を管理します。

入港直はまだ良いのですが、休みの間に当直に入るのが一番つらいです、、、
当直の業務としては、巡視船の管理はもちろんのこと、各科の整備作業や書類仕事をしております。
最後に
ざっくりとした巡視船業務のお話をしましたが、もっと色々あるのですが、話すと長くなるので、細かくブログにて紹介させていただこうかと思います。

いろんな出来事があるってことですね!?

はい!手漕ぎボートで遭難した外国人であったり、船が燃えたり、ラジバンダリ!!
これからも色んなお話をしていきますので、よろしくお願いいたします!
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