密漁犯を現行犯逮捕！犯人の衝撃的な行動、逃走する密漁犯を確保せよ

密漁犯を確保せよ！真冬の山の中で張り込み捜査をする海上保安官！

海上保安庁ってレスキューだけじゃないって知ってましたか？海上保安官の警備業務をご紹介いたします！

motokaiho.com

2023.02.27

密漁犯の衝撃的な逮捕劇！

訓練後に休みなし

前回の張り込み後すぐに国際緊急援助隊の訓練の為に兵庫へ飛び立ち、数日間みっちり訓練を行ってきました。

訓練後、丁度巡視船が戻ってくるタイミングでしたので、私は兵庫から戻ってくる際、巡視船のもやい取りをしようと岸壁で待機をしておりました。

なんて考えながら岸壁で待っていると、遠くのほうから巡視船が見えてきました。

どんどん近づいてくる巡視船の甲板作業員（後輩）が私のことに気づき、メチャクチャ手を振っています。

「やめろ」というつもりで手を振ったのですが、後輩は勘違いをして叫びだしました。

といったやり取りをしながら、もやい取りを終え無事に巡視船は岸壁に着岸することが出来ました。

この時の船はみんな和気あいあいとしており、訓練で巡視船から降りていて、業務的に迷惑をかけていたのですが、みんな暖かく迎え入れてくれました。

訓練報告の為、潜水班長、船長、機関長に報告しに行くと、公室がなにやらざわついておりました。

密漁犯を現行犯逮捕！！

訓練終わりで疲労のピークではありましたが、それは巡視船のみんなも同じこと！

こんなことで弱音を吐いてはいけません！

気持ちを奮い立たせ、いざ警備課の方々と打ち合わせを行います。

張り込みを強要した警備課長に、今度は密漁犯が海に密漁したモノを捨てる可能性があるので、すぐに潜れる準備をしろ！とお達しを受けました。

警備課長の采配で、「張り込み班」「突入班」「潜水班」に分けられ、入念の打ち合わせの後、夜まで待機することになりました。

数時間後、「張り込み班」から密漁犯が隠している密漁したモノを引き揚げていると連絡があり、突入班と一緒に、密漁犯のボート係留地に向かいました。

普段温厚な警備係長のテンションもMAXまで上がり、現場の緊張感も高まります。

すると、一隻のボートが係留地に戻ってきました。

密漁犯のボートだと確認し、人がボートから降りて荷物を降ろしだした瞬間、突入班が密漁犯を襲撃しました！

後半ちょっと何言ってるか分からなかったのですが、突入班が突撃している後ろに我々もついていくと

ボチャン

と何かが海に落ちる音が聞こえました。

係長が密漁犯を問い詰めているところ、密漁したモノはその場に全てあるように見えました。

そもそも、密漁犯って何人だ？？

密漁犯のメンバーは4人。今ここにいるのは3人。。。

衝撃の結末

警備係長がおかしくなってしまいそうだったので、急いで潜水捜索を開始！

密漁犯の潜水機材がボートに残っていたことから、海に潜っている可能性は低かったものの、水中や周辺を捜索。

しかし、犯人の姿はどこにも見当たりませんでした。

確かに真冬の海に飛び込んで数十分。体が硬直して動かなくなり、沈む可能性もありました。

最悪の事態を想定していた時、ふと係留地の桟橋が目に留まりました。

まさに灯台下暗し！桟橋の下にしがみ付いてこの寒さに耐えている犯人を発見しました！

水中から陸にあげると、ガタガタ震え、顔面蒼白状態となっている犯人。

全身硬直しており上手く喋れてはいないのですが、おそらく「俺やってないですよ！」って言っているのだと思いました。

そんなところに隠れていて、その言い訳は無理があるだろ。

すると、ずっとオウム返しのように「やっていない」を繰り返す密漁犯に警備係長が一言。

係長の「覇王色の覇気」で密漁犯は失神し、消防の救急隊が用意していたアルミシートにグルグル巻きにされ搬送されていきました。

最後に

その後密漁犯4人は起訴されました。

そのうち1人は常習性もあり実刑判決となりました。

皆さんも海で遊んだ際に、「大丈夫だろう」なんて魔が差し、密漁に手を染めることのないよう気を付けましょうね。