トルコ南東部を震源とする大規模地震に対する国際緊急援助隊の派遣!

国際緊急援助隊 海保の体験談
引用元:フォト

トルコ南東部を震源とする大規模地震に対する国際緊急援助隊の派遣!

2023年2月6日に発生した大地震から約2週間が経過した現在、63名からなる国際緊急援助隊・医療チーム二次隊を派遣することを決定しました。同チームは、2月23日にトルコに向けて出発し、既にガジアンテップで活動中の国際緊急援助隊・医療チーム(一次隊)と交代し、引き続き医療活動を行う予定です。

元海保
元海保

こちらの情報は外務省が2月22日に発表した内容となります。

現在も現地では「国際緊急援助隊」のメンバーや医療チームが救助に当たっているのですが、皆さん「国際緊急援助隊」をご存じでしょうか?

大半の人は名前は聞いたことあるけど、どのように構成されているかはご存じない方が多いのではないでしょうか?

船子
船子

自衛隊とは違うんですか?

元海保
元海保

確かに自衛隊の海外支援チームもあるんですが、

国際緊急援助隊のメンバーは別で構成されているんです。

今回の記事は、現在もトルコ共和国にて活動中の【国際緊急援助隊】についてご紹介させていただきます。

国際緊急援助隊:Japan Disaster Relief Team

皆さん日本のレスキューレベルは、世界的に見てどのレベルだと思いますか?

この国際緊急援助隊(以下JDR)なんですが、5年に1回国際的な試験があります。その試験の結果によって、その国の救助レベルをランク付けされます。

ちなみに日本は常に最高ランクの「ヘビー」を取得しており、災害時には最前線にて救助活動ができるようになっております。

元海保
元海保

なので、現在もトルコでは救助活動の最前線にて活動しているはずです。

そしてこのJDRなんですが、先ほどご説明したように、自衛隊とは別の組織にて構成されているレスキューチームとなっております。

ではどのような組織にて構成されているのかを詳しく説明させていただきます。

JDRの構成について

JDRの統括はJICA(独立行政法人国際協力機構)が行っており、チーム構成は以下の通りとなります。

  • 救助チーム:警察庁・消防庁・海上保安庁
  • 医療チーム:医者・看護師
  • 専門家チーム:JICA
  • 感染症対策チーム:JICA

このようなチーム編成となっており、このチームを【国際緊急援助隊】と総称しております。

各チームの役割につきましてJICAのHPから抜粋してご紹介いたします。

救助チーム

被災地での被災者の捜索、発見、救出、応急処置、安全な場所への移送を主な任務としています。

チームは、外務省、警察庁、消防庁、海上保安庁、JICAに登録している医療班、構造評価専門家、そしてJICAの業務調整員で構成され、チャーター機の活用などにより、政府の派遣決定後、迅速に日本を出発する準備を整えています。

2010年には、国際捜索救助諮問グループ(International Search and Rescue Advisory Group: INSARAG)による、能力評価(INSARAG External Classification INSARAG:IEC)を受検し、三段階の評価のうち最高分類である「重(ヘビー)」の評価を受けました。また2015年には、更新評価(INSARAG External Re-Classification:IER)を受検し、再び「重(ヘビー)」の評価を受けた。

医療チーム

医療チームは、被災者の診療にあたるとともに、必要に応じて疾病の感染予防や蔓延防止のための活動を行います。

メンバーは個人の意志で登録している医師、看護師、薬剤師、医療調整員の中から選ばれるのに加え外務省の職員やJICAの業務調整員から編成されます。

隊の構成は、被害状況や被災国のニーズに応じて、柔軟に対応できるよう体制を整えています。

また、医療チームは国際緊急援助隊の中で最も歴史が長く、派遣回数も最多です。

専門家チーム

専門家チームは、建物の耐震性診断や、火山の噴火予測や被害予測など、災害に対する応急対策と復旧活動について被災国政府へ助言を行います。

また新たな感染症に対して、被害の拡大を食い止めるため助言を行うこともあります。

チームは、災害の種類に応じて、関係省庁、地方自治体や民間企業の技術者・研究者などで構成されるほか、JICAから業務調整員が帯同します。

感染症対策チーム

2014年に西アフリカで感染が拡大したエボラ出血熱への対応を踏まえ、2015年10月に新たに設立されたチームです。

このチームは感染症に関する幅広い支援を実施するため、「疫学」、「検査診断」、「診療・感染制御」、「公衆衛生対応」の4つの専門機能と、自己完結型の活動を行うための「ロジスティック」を合わせた5つの機能から構成されます。

JDRの訓練について

JDRの訓練は毎年行われており、各組織の数あるレスキュー隊員の中から、選ばれた隊員が訓練に参加することができます。

元海保
元海保

私みたいに人がいないから選ばれるというパターンもあります。

訓練の内容については、1年を通して5回ほどの訓練があり、毎回内容が違うものとなります。主な内容としてはこのような感じとなっております。

  • 技術訓練
  • メンテナンス訓練(前半)
  • メンテナンス訓練(後半)
  • 予備訓練
  • 総合訓練

といった内容になっており、各機関の意地とプライドと技術のぶつかり合いが始まり、白熱したハイレベルな訓練を行っております。

元海保
元海保

お互いの技術交流ができるので、各機関敵対視しているわけではありません

それではどのような訓練を行っているかをご紹介いたします。

技術訓練

技術訓練ではJDR訓練に参加するメンバーと会い、チーム編成を行います。

元海保
元海保

IERでない限り、訓練のメンバーは毎回入れ替わります。

IERのような国際的な試験を受験する際は、同じチーム編成で訓練をおこないます。

訓練の内容ですが、ざっくりとご説明させていただきます。

  • ブリーチング:コンクリートに穴をあける
  • ショアリング:木材を使用して倒壊しそうな建物を一時的に防ぐ
  • カッティング:コンクリートを切断
  • クリビング:隊員が侵入する場所の補助

その他にもロープ救助や、倒壊した建物に要救助者がいるか確認したり、全世界共通のマーキングの仕方だったりと、一つ一つ確認しながら訓練するものとなっております。

英語名の訓練が多く、汚くコンクリートを壊すことをダーティーブリーチングと言ったり、綺麗に壊すことをクリーンブリーチングと言ったりと、色んな手法がまだまだあるのですが、ここでは割愛させていただきます。

元海保
元海保

項目が多いので、申し訳ないです。

現在トルコで発生している【パンケーキクラッシュ】と呼ばれる建物の倒壊では、ショアリングで侵入経路を確保し、倒壊の危険性がない場所をブリーチングで破壊して侵入するといった内容で、要救助者を救助いたします。

他にもサーチングホールで内部を確認であったり、時間が経ってから要救助者を発見した際には、無理に救助してしまうと、阪神淡路大震災で発生した、通称エコノミークラス症候群が発生してしまい命を落とすことになります。

この場合、要救助者を発見したら、医療チームが侵入し、倒壊した建物の中で点滴を投与するなどの処置をしなくてはなりません。

このような大規模災害では、時間が経ってしまうと、救助のリスクも大幅に高まってしまうのです。

メンテナンス訓練

メンテナンス訓練ですが、こちらは訓練というよりは技術訓練で使用した機材を清掃・点検するとともに、機材の整備方法や扱い方を学ぶものとなっております。

なので訓練というよりは和気あいあいと整備作業をして終わる訓練となっています。

予備訓練

予備訓練ですが、こちらはIER時に行われる訓練で、次に紹介する総合訓練の予行練習となります。

総合訓練

最後に総合訓練ですが、海外で大規模災害が発生し、海外に派遣されることを想定して訓練を実施いたします。

流れはこのようなものになります。

  • 大規模災害が発生、各組織に連絡が入り出国する空港に集合
  • JDRメンバーが集まり出国の手続きと機材の搬入を実施
  • 災害地に到着し、拠点の作成
  • チームを分け、現地の状況確認、現地スタッフと連絡を取り、救助に加わる

といった流れで訓練を実施いたします。

実際は訓練なので集合場所は兵庫県のJICA所有の施設で、そこからバスに乗って訓練施設まで向かいます。しかし、この間出国手続きから荷物の準備など、すべて本番さながらに訓練をおこないます。

拠点に関しても、感染症の観点からクリーンエリアとダーティーエリアという区分けをして、居住区となるテントは清潔を保つようにセッティングします。

そうこうしているうちに無線が入り、建物が倒壊しているところに要救助者がいるなど救助要請が入るので、現場の状況を聞き取り、必要な資材をトラックに積み込み救助に向かいます。

このような感じで3日間訓練をおこない、総合訓練は終了します。

最後に

このように毎年訓練を行っているJDRのメンバーが、今トルコの被災地で活動しております。

重機が使えないような場所では手作業で瓦礫を撤去したり、スコップ一本で活動したりもする現場ですが、一人でも多くの被災者を救助し、無事に帰ってきてくれることを陰ながら切に祈っております。

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